2026/05/31

the year of magical thinking


雨季入りの5月15日夕方、やまねこ社の猫トワレック(享年15歳)が永眠しました。

今まで15年間、シッターがお世話させていただいた猫の皆さまのことは、匂いを通じて、存じ上げていると思います。ひと足先に旅立った先輩方へ、順々に挨拶して回っている頃かも知れません。

2011年スコールの激しい雨季の半ば、大洪水でバンコクも騒然としていた頃に、駐車場で足を大怪我していたところを保護しました。足の切断を回避してからも病気知らずで、先住の黒猫キキと追いかけっこしながら、15年間穏やかに暮らしました。優しくて気のいい、時に頑として独りでいることを好む、佇まいの美しい猫でした。


去年10月黒猫キキの手術があり、少しずつ快方に向かっていた頃、トワレックが咳をするようになりました。喘息の診断が下りてからは、朝晩のステロイドの吸引薬、その後も頻繁に通院して治療を継続していましたが、4月に入ると呼吸が荒くなりついに入院。肺炎が悪化して気管支拡張症になり、様々な症状が現れるようになりました。

セカンドオピニオンで病院を変えたり、呼吸器専門医に安楽死の相談を申し入れたり、家人と共に毎日悩みながら奔走しました。退院後の痩せ細ったトワレックの呼吸が苦しく眠れない姿、増える薬の数、酸素濃縮器の気が滅入るような音、重なる黒猫キキの不調、介護を続ける為に平静を装っていたやまねこも、選択を迫られる日々に不眠が続いて追い詰められていました。

トワレックが亡くなった翌朝16日、いつもはシッターとして付き添って猫さんたちをお見送りしている、お馴染みのお寺で火葬しました。やっと身体から解き放たれて自由になったのだ、と安堵したのも束の間、今度は自分の気持ちの方に焦点が当たってしまい、感情の発作に襲われて、涙が溢れて止まらない毎日を過ごしています。

日本に住む私の母親からのメッセージに、名前のトワレックを「永遠(とわ)」と当て字にしてあるのを目にしてから、猫が私の心の奥にストンと入ってずっと居座っているようです。
ここに記すことでやっと、彼のいない現実を受け入れることが出来ました。

トワレックが家族に遺したものは、純粋な愛と優しさでした。
これからは、彼から受け取ったものを猫さんたちへお返しするすることで、キャットシッターとしての徳を積む所存です。