乾季らしい爽やかな風が吹くようになりましたが、
お別れの季節はまだ続いています。
以前こちらにもご登場いただいた、
淡いミルクティー色の毛並みの「千代」ちゃん(6歳/雌)。
今まで約4年間、たくさんお留守番の時間を一緒に過ごしましたが、
残念ながら、今年の年末年始はまたお目に掛かることが叶いませんでした。
日本生まれの千代ちゃんは、子猫時代に兄弟と一緒に保護されて
運良く里親さんに巡り合いました。 ご家族のお名前を一文字ずつ受け継ぎ、
愛情たっぷりに育てられた千代ちゃんは、天真爛漫で人間とコミュニケーションを
取ることがとても上手です。
エレベーターを降りて、足音を立てずこっそり忍び足で千代ちゃんの待つ
お部屋のドアを開けると、「ミャー!」と鈴の音を同時にさせて
ダッシュで駆け寄り、熱心なスリスリでいつも欠かさずお出迎えがありました。
「ミャオーン!!」とお留守番のご不満をひとしきり訴えると、
今度はご飯と遊びの催促が始まります。
おやつとご飯を大急ぎで食べて、お水をごくごく飲み、レモングラスの葉をむしゃむしゃ、
深妙な顔で用を足して、床をタッタカタッタカ鳴らしながら大運動会を繰り広げ、
電池が切れたようにパタリと倒れて、1日の用事をいっぺんに済ませていました。
アスリートのような身体能力を持つ千代ちゃんは、
ご家族とのトレーニングで様々な技を磨いています。
練習の成果を披露すべく、ダンボール箱の横で今か今かと待機していて、
まずはお得意の「トンネル潜り抜けの技」でスタートダッシュを切ると、
お部屋からお部屋をビュンビュンと目にも留まらぬ速さで駆け抜け、
高いジャンプもお手の物。一緒になって走り回ったシッターの息が切れてくると、
今度は床の上にゴロンと横になり、見事な「忍法隠れ身の術」を見せてくれました。
窓際で外の景色を眺めていると、
いつの間にか千代ちゃんが側にいて同じようにしていたり、
静かに声を掛けたり目をパチパチさせてみると、
ゆっくり瞬きで応えてくれる時など、
たがいの気持ちが触れ合ったような気がして
心がじんわり温かくなることもありました。
千代ちゃんが住むお部屋の灯りがもうすぐ消えてしまうのかな、と思うと 寂しい気持ちです。
でも久々の日本では、気の赴くままに外を闊歩して、思う存分に狩りをしたり、
日向ぼっこを楽しんだり、木陰でのんびりうたた寝して
自由を満喫する千代姫の姿を想像すると、嬉しくなります。
千代ちゃん、ご家族といつまでも一緒に、元気でいてね。