サイアムスクエア周辺などで見掛ける、お洒落や音楽、ライフスタイルにこだわりを持つティーンエイジャーから20代半ばまでに『デックネーオ(เด็กแนว)』という呼称が付いたのは、7、8年くらい前でしょうか。ここ数年の自転車、サードウェーブカフェ、ヴィンテージブームなども相まって、わたしの最寄り駅BTSアリー周辺にも、彼らを意識したお店が増えてきています。
年2回のペースで行われているマーケット「MADE BY LEGACY」がホアランポーン駅近く、国鉄所有の施設で開催されていたので、昨日足を運んで来ました。
例年通り、入場料B100(夜からDJとバンド演奏有り)を徴収されるのが腑に落ちなかったのですが、とても雰囲気のある広いスペースで、お洒落に気合いの入ったデックネーオも集結して、夜遅くまでものすごい熱気でした!
出店していたお店に関しては、アメリカの「ハンドクラフト」のトレンドを汲んだ、洋服や古着屋、雑貨、家具など、客層に合わせてトーンがしっかり統一されていた印象です。エカマイ、トンロー周辺に既にショップを構えている人もあり、日本と比較しても、なんだか全体的にお高い......。欧米のキッズカルチャーにはD.I.Y(消費せずに、自分で創作する)やインディーズ精神がありますが、タイで『デックネーオ』になる為には、ちょっとお金が掛かるようです(笑)。
今回出店していたブースで食指が動いたのが、猫をモチーフにしたオリジナルの雑貨、Tシャツなどを扱う「SUPERSWEETxmoumi」というお店でした。何だか日本人好みのデザインだなーと思ったら、やはりBEAMSなどでもポップアップストアを出していたようです。残念ながら、猫ちゃん用のグッズはありませんでした。
【画像左:ステッカー/B80】
レコード出店ブースにて、キッズが「(レコードが)レトロでイイね!」と言うのを耳にして、思わず苦笑するデックネーオのご先祖の図。今とは違い、情報にも飢えていて、90年代は米国へまとめてメールオーダーしていたそうです。
価格が日本の2〜3倍なのを見て、私も思わず皮算用してしまいました!
帰りは、国鉄ホアランポーン駅からサムセン駅まで、昔ながらの列車に乗ってみたのですが、埃っぽい駅構内には、大荷物を抱えて地べたに座り列車を待つ人たち、雑多でチープなお店、液晶モニターから流れるイナタい演歌など、通常営業の「タイらしさ」 があって、徒歩で10分も離れていない距離なのに、先ほど覗いて来た世界とのあまりのギャップに「ひえぇぇえええ」と目眩がしました。
車窓から遠くに見える中華街のギラギラネオンのホテルと、手前の線路沿いにずらっと並ぶ薄暗いスラムの家族団らんのコントラストも、まるで80年代のSF映画のようで、とにかく凄かった、の一言です。
時々パラレルワールドに迷いこんだような気分を体験出来るのが、今のバンコクに住む醍醐味なのかな、と感じた一夜でした。