2014/09/30

バンコクの虹

 
雨降りの日が続き、バンコクでも一時的に冠水する道路が多くなっているようです。
深夜からしとしと降っていた今日の朝方、少し晴れ間が覗いたと思ったら、どんよりした灰色の空に
うっすらときれいな円を描いた虹が出ていました!
この後、願掛けをする暇もなく、カメラのファインダー越しに、あっという間に儚く消えてしまい
ました。


1994年公開時のポスター


















虹を見ていた時に、 ラマ4世時代の奴隷制度の中で生きる女性を描いた映画『อำแดงเหมือนกับนายริด(アムデーンとリート氏/日本未公開)』をふと思い出しました。
主人公アムデーンが「虹が出ているわ!」 と指差すと、キンマーク(ビンロウの実を葉で包んだ噛みタバコ)で歯を真っ黒にしたお婆さんが「指を差してはいかんぞよ!」と諭すシーンがあります。
映画の中では伏線になっていましたが、タイでは「虹を指差すと、不吉なことが起こる」という迷信があるそうです。

 
✻ラマ5世の時代に奴隷制度が廃止される以前は、親が子供を、既婚男性がその妻を、まるでクワーイ(水牛)と同じ様に、譲渡又は売る権利が認められていました。主人公アムデーンは父親のギャンブルの借金の形として売られてしまいますが、その後彼女は国王に請願書を送り、最高裁判所に訴え、自由を勝ち取ります。実話を元にしているそうですが、タイの近代史や、世俗を知る上でもとても面白い映画です。2008年にリメイクされた、ラブストーリーを全面に出したバージョンはDVDでも手に入り易く、おススメです。