1月10日
突然の訃報から
本当に久し振りにデヴィッド・ボウイのレコードを引っ張り出してきて、
溜まった埃を拭き取りながら、毎日針を落としています。
これからも思い入れのある誰かの訃報の度に、
この儀式が繰り返されるのかと思うとしんみりしてしまいました。
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ボウイが主題歌で参加した映画
『キャットピープル/Cat People』(1982年) via listal |
中学生の頃に図書館で見つけた、ボウイの最初の奥さんだったアンジーの暴露本のような
回顧録には(鮮やかなピンクの表紙でした)には、ロックスターとその取り巻きの
ぶっ飛んだ私生活や、虚構ないまぜの華やかな表舞台と闇の深さに見入られた
記憶があります。
パンクの流れから辿って、後追いで自分が生まれる前の音楽を探っていた私にとっては、
「グラムロック」と呼ばれた70年代前半のキラキラした
『Ziggy Stardust』が愛聴盤でしたが、
家人はブライアン・イーノと組んだ
『LOW』がベストだとかで、しばらく議論になりました。
80年代以降の活動は、商業的な大スター然としたイメージがあったせいかあまり興味が持てず、
映画やMTV、ラジオなどで耳にしたことがある程度だったのですが、亡くなる2日前に絶妙な
タイミングでリリースされたアルバム
『Blackstar』は、気鋭のジャズミュージシャン達を起用した
素晴らしい作品で、アーティストの矜持と、自身の死後まで見通したクールなお別れの挨拶に、
胸がいっぱいになってしまいました。
ネットでも追悼記事や今までの功績を讃える特集などを多く目にしていますが
(→特にBBC Radio6
PulpのJarvis Cockerによる追悼番組が良かったです)
私が特に思い入れがある曲と、新作から1曲をここにご紹介します。
よく聞いていた頃の気分や見えていた世界がパッと甦えって来たり、
新しい発見や良さを感じたり出来るのも音楽の凄さだな、と改めて思いました。
Life On Mars (1973)
Rock'n'Roll Suicide(1972)
Lazarus(2016)